聞き手:データ復旧業者に頼むかどうか悩む人は多いと思います
このような不安を解消するため、データ復旧業者の技術力を見極めるポイントを徹底解説します。
聞き手:データ復旧業者に頼むかどうか悩む人は多いと思います。例えば、パソコンが起動しないなどの状況で、修理業者とデータ復旧業者のどちらに依頼すればいいのか悩む人が多いと思うのですが、両者の違いは何ですか?
難易度の高い復旧作業を多く引き受けるほど、一定数は復旧不可能となったり、データが数割の復旧にとどまる事例もあるはずです。しかし、マイナスな書き込みがほとんど見られないのであれば、市販のソフトで完全に復元できるような低レベルな作業しか引き受けていないか、そもそも対応件数が極端に少ないなど、業者にとって都合の悪い情報を隠している可能性もあります。
一部の業者では、初期診断の名目で断りなく復旧作業を行ない、復旧できそうだと判断した場合のみ完全成功報酬のプランを提示する悪質な業者も存在するようです。この場合、業者が勝手に作業を行なって復旧不可能と判断された機器は、不用意な作業により状態がほぼ確実に状態が悪化してしまいます。他の業者に依頼していれば高い確率で復旧できたにもかかわらず、「初期診断を依頼しただけで状態が悪化しデータが取り出せなかった…」となっては元も子もありません。
デジタルデータソリューションは、このスクラッチ障害から少しでもデータを復旧すべく、10年も前から研究開発を行なってきた。同社のデータ復旧サービス「デジタルデータリカバリー」は、11年連続して国内売上No.1であり、復旧率は95.2%、相談件数は累計29万件という驚異的な実績を誇っている。
作成したクローンディスクからデータを抽出、データ復旧可否の診断を行い、診断結果をご報告します。
同氏は具体的な例として、会計データを保存したSSDでエラーが発生し、同業他社で復旧不可能と診断されたのち、同社に持ち込まれた事例を教えてくれた。市販のツールだけでは対処できなかったため他社は投げ出さざるを得なかったが、復旧の決め手となったのは、同社の強みであるファームウェア修復技術だった。
このケースでは、同業他社で復旧不可能と診断されたのち同社に持ち込まれ、プラッタ加工およびスクラッチのない領域のみを稼働できるよう部品交換を行なうなどして、約7日をかけてデータの取り出しに成功した。
技術力が低いデータ復旧業者は、障害原因を見極める診断の精度が低いだけでなく、設備やノウハウを持たないため、高度な作業には対応できません。
というような失敗をしないためにも、この記事で技術力の高いデータ復旧業者を見極める方法を知り、最短かつ最も安全に大事なデータを取り戻しましょう。
井瀧:技術投資を継続的に行っていたり、世界中の有識者とコネクションがあるのはもちろんですが、根幹を支えているのはエンジニアの探求心だと思います。「これって復旧できるんじゃないの?」と自ら技術情報を集めに行き、研究するエンジニアが何名もいて、活躍しています。こうした姿勢が、業界全体で「復旧は不可能だ」「復旧できるわけがない」とされてきた重度障害や新しい機器のデータも復旧可能にしてきました。
しかし、復旧作業をするたびに復旧できる確率が下がっていくため、最初にどの業者に依頼するかで復旧率が変わります。大切なデータを失わないよう、技術力が高いデータ復旧業者に相談するようにしましょう。
実際にデータ復旧業者では、業者によって対応できる障害レベルの範囲や、対応機器が大きく異なっています。これは病院に例えればどのような症状にも対応できる総合病院か、特定の診察を行う診療所のような差があるといえるでしょう。業者に復旧を依頼する際は「自分の機器の復旧を行えるエンジニアが在籍しているか」「復旧設備の体制が整っているか」を見極めるのが重要なポイントになります。
少ない知識で誤った作業を施してしまうと、取り出したいデータを上書きしてしまったり損傷を進行させてしまうリスクがあります。そのようなリスクを避けるためにも、過去の実績を数値で公表していなかったり数百件程度の少ない件数しか受けたことのない業者には依頼しない方が得策です。
データ復旧業者の中には、その取り組みが認められ第三者機関に表彰されている業者も存在します。HP上で具体的な数値で実績や表彰実績を明記している業者を選んだ方がいいでしょう。