設定はファイルサーバーに利用しているOSに依存します
これからファイルサーバーやクラウドストレージの導入、増設を検討する際、ぜひ一度ご検討いただければと思います。
しかし、全社的なテレワークへの移行や、想定外の大量採用などの突発的な事象に対して十分な処理能力が確保できていない場合、同時接続制限を越えてファイルサーバーにアクセスできなくなります。
VPNはインターネット経由で、安全にオフィス内ネットワークに接続する仕組みです。テレワークで、社外からオフィス内ネットワークのファイルサーバーにアクセスする場合、VPNが必要です。VPNへ接続しないままファイルサーバー利用を試みている場合は、VPN接続を行います。
ここまでファイルサーバーの仕組みからアクセスできない理由と対策について説明してきました。しかし、前述した内容を確認してもまだアクセスできない場合、さらに根本的な原因も考えられます。
NTT東日本が提供するコワークストレージは協業やクラウドシフトが進む企業向けの、データ共有ソリューションです。ファイルサーバーの操作性や堅牢性を維持しつつ、テレワークや協業の効率的な推進を実現します。
通常ファイルサーバーへのアクセスにはユーザー名とパスワードが求められます。しかし、稀にではありますが、ファイルサーバーで利用するOSの種類によっては、匿名アクセス(パスワード無しでのゲストアクセス)を許可できます。
ファイルサーバー側のアクセス権限の変更で、アクセスができなくなる場合があります。とくに特定のフォルダ・ファイルだけが見られない場合、大半が権限の問題に起因します。フォルダの管理者に問い合わせて、アクセス権が付与されているか確認してもらいましょう。
システム管理者がIPアドレスを変更した場合、ファイルサーバーへのアクセスができなくなります。IPアドレスが利用可能かどうかはpingというコマンドで確認ができます。Windowsのスタートメニューからコマンドプロントを起動。「ping {ipアドレス}」を入力します。
デバイスとルーター、ルーターとLAN、LANとファイルサーバーなど、それぞれの間をつなぐ物理ケーブルの故障が想定されます。物理ケーブルが故障すると、ファイルサーバーへのアクセスだけでなく、インターネットやプリンタへの接続もできなくなります。ファイルサーバー以外の接続についても確認することで、物理ケーブルに問題がないか確認しましょう。
ファイルサーバーはアクセス権限の編集ができます。主なアクセス権限は管理者、編集者、閲覧者です。利用者に割り当てられていた権限が外された場合、利用者は該当のファイルへのアクセスができなくなります。またファイルサーバーそのものの電源が落ちていたり、故障していることも考えられます。このような場合、システム管理者による復旧作業を待つ以外の術はありません。
資格情報はネットワーク上でアクセス権限があることを認証するための情報です。ファイルサーバーにアクセスする場合にも、システム管理者が利用者別にユーザー名とパスワードを発行します。資格情報は一度アクセスに成功すると、デバイス上に保存されます。2回目以降のアクセスでは入力が求められません。
ファイルサーバー側の設定が原因で、アクセスができない可能性も考えられます。この場合、手元の設定変更では状況が変わらないため、システム管理者への問い合わせが必要になります。
期間限定で外部企業のプロジェクトに参加して、外部企業のオフィス内からファイルサーバーに接続する、企業内で少数に限られたチームでのファイル共有する場合など、ファイルサーバーにパスワード無しでアクセスすることが考えられます。匿名アクセスでファイルサーバーに接続できない場合、システム管理者に問い合わせをしましょう。
社外からファイルサーバーにアクセスできない場合、デバイスが接続されているWi-Fiの問題が考えられます。たとえば、ファイルサイズが大きい資料の閲覧や編集、ネットワーク速度不足などによって、アクセスできなくなります。また公共Wi-Fiを利用している場合、セキュリティ上の理由から、ファイルサーバー側でアクセスを拒否する可能性も考えられます。
ネットワーク混雑による同時接続制限だけでなく、ファイルサーバーそのものにも同時接続制限はあります。設定はファイルサーバーに利用しているOSに依存します。一般的には無制限のOSが多いものの、企業の予算などを理由に、制限付きのOSが利用されている可能性も考えられます。始業時刻や、月末の締め作業のタイミングなど、接続できないタイミングが、ファイルサーバー利用が集中する時間帯と重なっていないか確認しましょう。