サーバーにアクセス
自宅など外部からファイルサーバーにアクセスするためには、インターネットを経由する必要があります。外部からアクセスする方法は、VPNの導入、VDIの利用、クラウド化の主に3つです。それぞれ特徴やメリット・デメリットを把握したうえで、どの方法が自社に合っているのかを見極めることが重要です。
企業が扱う多くの情報は、電子ファイルとしてファイルサーバーに保管され、社内での情報共有に役立てられてきました。近年では、ビジネス環境や働き方の急速な変化により、自宅など、オフィスの外部からもファイルサーバーにアクセスして、情報共有できる環境が求められています。
ファイルサーバーにアクセス権管理がされていない場合、最も危惧されるのは機密情報の漏えいです。営業関係の情報はもちろん、財務情報や人事・給与に関する情報は社内においても担当部署以外には秘匿されるべき情報で、これらが誰にでもアクセス可能、編集可能な状態であることは望ましくありません。
VPNを利用するには、社内でVPN接続に対応しているルーターと固定IPアドレスが必要です。VPNを導入することで、物理的な距離に関係なくファイルサーバーにアクセスできます。
VDIは先述のとおり、すべてのデータがファイルサーバー上で一括管理されるため、データ流出のリスクが軽減されます。万が一、遠隔でサーバーにアクセスしている側の端末が盗難の被害に遭っても、データは端末のローカルにないため守られます。災害などが原因でアクセス元端末が破損しても、データはサーバー上にあるため、失われることはありません。また、VDIならセキュリティソフトのアップデートやメンテナンスも一括管理ができるため、管理コストや担当者の運用負荷の削減にもつながるでしょう。
そこで生まれるのが「外出先からファイルサーバーにアクセスしたい」という要望です。外部からのアクセスを実現すれば、移動時間や空き時間を使ってプレゼン資料に手直しをし、顧客から求めたれた情報に対して迅速、かつアップツーデートに答えることができます。「情報提供が素早い」「期待に応えられている」というのは、企業競争力を高める上では必要不可欠です。もちろん、営業以外の業務部門でも、外部からファイルサーバーにアクセスする環境が整っていれば、業務効率を上げる働き方ができるでしょう。
社外からファイルサーバーにアクセスできない場合、デバイスが接続されているWi-Fiの問題が考えられます。たとえば、ファイルサイズが大きい資料の閲覧や編集、ネットワーク速度不足などによって、アクセスできなくなります。また公共Wi-Fiを利用している場合、セキュリティ上の理由から、ファイルサーバー側でアクセスを拒否する可能性も考えられます。
外部からファイルサーバーにアクセスできれば、利便性は大きく向上します。一方で、リスクがあることにも目を向けなければなりません。ネットワーク経由の場合、ファイルサーバーは不正アクセスの対象になります。悪意ある攻撃を受ければ、さまざまなリスクが生じるでしょう。
VPNを利用すると、オフィス外部からも仮想ネットワークを経由して社内のファイルサーバーにアクセスできます。通信が暗号化されるため、悪意のある第三者からの不正アクセス、覗き見を防止できる仕組みです。VPNとひとことで言っても、インターネットVPN、IP-VPNや広域イーサネットなど、種類があります。
では、外出先からファイルファイルサーバーにアクセスするには、具体的にどういった方法があるのでしょうか。