ファイルサーバーも同様です
ここまでファイルサーバーの仕組みからアクセスできない理由と対策について説明してきました。しかし、前述した内容を確認してもまだアクセスできない場合、さらに根本的な原因も考えられます。
資格情報はネットワーク上でアクセス権限があることを認証するための情報です。ファイルサーバーにアクセスする場合にも、システム管理者が利用者別にユーザー名とパスワードを発行します。資格情報は一度アクセスに成功すると、デバイス上に保存されます。2回目以降のアクセスでは入力が求められません。
また従業員が数千人に及ぶ大企業では、多くの人が一度にファイルサーバーへの接続を試みます。同時接続数が許容範囲を越えると、ネットワークへのアクセスができません。通常、システム管理者はこのような状況を考慮して、ネットワークの処理能力を高めに準備します。
システム管理者がIPアドレスを変更した場合、ファイルサーバーへのアクセスができなくなります。IPアドレスが利用可能かどうかはpingというコマンドで確認ができます。Windowsのスタートメニューからコマンドプロントを起動。「ping {ipアドレス}」を入力します。
社外からファイルサーバーにアクセスできない場合、デバイスが接続されているWi-Fiの問題が考えられます。たとえば、ファイルサイズが大きい資料の閲覧や編集、ネットワーク速度不足などによって、アクセスできなくなります。また公共Wi-Fiを利用している場合、セキュリティ上の理由から、ファイルサーバー側でアクセスを拒否する可能性も考えられます。
ネットワーク混雑による同時接続制限だけでなく、ファイルサーバーそのものにも同時接続制限はあります。設定はファイルサーバーに利用しているOSに依存します。一般的には無制限のOSが多いものの、企業の予算などを理由に、制限付きのOSが利用されている可能性も考えられます。始業時刻や、月末の締め作業のタイミングなど、接続できないタイミングが、ファイルサーバー利用が集中する時間帯と重なっていないか確認しましょう。
デバイスのネットワーク探索機能が無効になっていると、ネットワークフォルダにコンピュータやプリンタが表示されなくなります。ファイルサーバーも同様です。この機能を有効にすることで、以前と同じようにファイルサーバーへアクセスができるようになります。
アラートをクリックすると「有効化」の選択肢が出てきます。クリック後に「パブリックネットワークにネットワークの探索とファイル共有を有効にする」という質問が出てくるので、「いいえ」を選択、しばらく経つとネットワークフォルダ内にファイルサーバーが表示されます。
これからファイルサーバーやクラウドストレージの導入、増設を検討する際、ぜひ一度ご検討いただければと思います。
NTT東日本が提供するコワークストレージは協業やクラウドシフトが進む企業向けの、データ共有ソリューションです。ファイルサーバーの操作性や堅牢性を維持しつつ、テレワークや協業の効率的な推進を実現します。
期間限定で外部企業のプロジェクトに参加して、外部企業のオフィス内からファイルサーバーに接続する、企業内で少数に限られたチームでのファイル共有する場合など、ファイルサーバーにパスワード無しでアクセスすることが考えられます。匿名アクセスでファイルサーバーに接続できない場合、システム管理者に問い合わせをしましょう。
ファイルサーバーへのアクセスには、デバイスのネットワーク接続機能(Wi-Fiなど)が使われます。そのため、セキュリティ上の理由で、デバイスは外部ネットワークへの接続に機能制限を設けています。たとえば、特定のIPアドレスへの接続禁止、特定の接続方式の利用禁止など。企業の情報システム担当者は、ファイルサーバーを利用できるように端末の設定を行った上で端末を配布します。しかし、これらの設定はソフトウェアアップデートプログラムで自動的に切り替わる場合もあるのです。
ファイルサーバーの利用ニーズに合わせて、システム管理者は定期的に設定を変更します。そのため、設定変更が利用者に通知されていなかった、システム管理者が意図しない設定変更を行った、といった場合、ファイルサーバーへのアクセスができなくなります。
ファイルサーバー側の設定が原因で、アクセスができない可能性も考えられます。この場合、手元の設定変更では状況が変わらないため、システム管理者への問い合わせが必要になります。
VPNはインターネット経由で、安全にオフィス内ネットワークに接続する仕組みです。テレワークで、社外からオフィス内ネットワークのファイルサーバーにアクセスする場合、VPNが必要です。VPNへ接続しないままファイルサーバー利用を試みている場合は、VPN接続を行います。