ドメイン名からipアドレス
FQDNの中身をより詳細に分けたのがドメイン名とホスト名です。
通常、ユーザーがインターネットを利用する際は、サーバー側、クライアント側がドメイン名を補完して通信するため、ユーザー自身がFQDNを意識する必要はありません。しかし、通信の世界では、人間が識別しにくいIPアドレスとURLを紐づける重要な役割を担っています。
DNSが名前解決を行うためには、権威サーバー上にドメインとIPアドレスを紐づける情報があらかじめ登録されていなければなりません。
ルートサーバーは、「pfs.nifcloud.com」というドメインに対応するIPアドレスの情報は持っていません。しかし、ルートサーバーは「.com」ドメインの権威サーバーのIPアドレスを知っているため、このIPアドレスを回答します。
例えば、「pfs.nifcloud.com」に対応するIPアドレスは「111.171.201.211」ですが、この対応を記録した情報を「DNSレコード」と呼びます。そして、権威サーバーは「ゾーン」と呼ばれる単位でドメイン内に存在する複数のDNSレコードをまとめて管理しています。
このように名前解決は、ルートサーバーを起点にドメインの階層を辿りながら、それぞれのドメインを管理している複数の権威サーバーに順次問い合わせる形で行われています。
ゾーンは、通常ドメインやサブドメインといった上位の権威サーバーから「委任」された単位ごとに作成されます。例えば、「nifcloud.com」ドメインはゾーンを持っています。このゾーン内に「nifcloud.com」のすべてのサブドメインのレコードを列挙することも可能ですが、サブドメインごとに独立したゾーンを作り、別の権威サーバーに管理を「委任」することもできるのです。実際「pfs.nifcloud.com」というサブドメインは、上位のドメインである「nifcloud.com」とは異なる、独自のゾーンを持っています。
PCから「pfs.nifcloud.com」のドメインにアクセスする場合を例として、名前解決の具体的なフローを解説します。
FQDNとは、Fully Qualified Domain Nameの略で、日本語では「完全修飾ドメイン名」や「絶対ドメイン名」と訳される、「ホスト名」「ドメイン名」などを省略しないドメイン名の記述方法です。
ドメイン名からIPアドレス情報を引き出す場合には、Whois検索を行う方法が最も手軽です。独自ドメインを登録していれば、Whois検索によって登録者の情報に到達できます。Whois検索ではネームサーバのFQDNや、IPアドレスを参照することができます。Whoisについては、「Whoisとは」で解説しています。
ニフクラでは、オンデマンドで構築・管理・運用が可能なDNSを提供しています。DNSの基本的な機能(権威サーバー機能)に加えて、GSLB(広域負荷分散)、ドメイン取得・管理などの機能を利用可能となっています。詳細については、「DNS / GSLB(広域負荷分散)/ ドメイン取得・管理」を参照してください。
ホストの名前はルータやサーバなどに名前が割り振られているものです。IPアドレスは各機器に割ふわれているネットワーク通信をする際に必要な番号のことです。ドメイン名はインターネット経由で接続できるWebサイトのURLを示す英数字のことです。
最後に、キャッシュサーバーは「nifcloud.com」ドメインの権威サーバーに対して、同様の問い合わせを行います。「nifcloud.com」ドメインの権威サーバーは当然、自身のサブドメインである「pfs.nifcloud.com」のIPアドレスの情報を持っているため、このIPアドレスを回答します。キャッシュサーバーは、この結果をクライアントであるPCに回答し、名前解決は完了です。
DNSとは、Domain Name Systemの略で、インターネット上でドメイン名を管理するシステムのことです。ネ …
ホスト名とは、文書を格納するコンピュータのドメイン名やIPアドレスを指定していますが、ホストはホストコンピュータのことを意味します。似た言葉ですが意味が異なりますので、使い分けが必要です。次のページではホストについてITシステムにおけるネットワークのホストについて解説します。