この設定値を自分で決めて ルーターに設定する
ここでは、例としてNTTのルーターを使い解説しています。この機器は、光ファイバー終端機器 ONUとルーターを兼ねているものです。
初期状態では、ルーターの設定画面にアクセスするIPアドレスの一番右の数値(ホストアドレスとか第4オクテットと呼ぶ)の「1」がルーター用で、そこから順に「2~」設定した個数分が割り当てられるようになっている。
自動接続が100台分とってあるが、実際にそれほど多くの機器が接続するワケでもない。念のため広くとっているだけだ。Wi-Fiルーターで同時接続ができるのは、多くても20台程度。ここで気を付けることは、最後の割り振りの「254」を超えないようにすることだ。この場合、最終値「192.168.1.255」は使えないので注意しよう。
ここからは、ルーターのIPアドレスを把握しておくべき理由を紹介します。
ここでのポイントは「★」を付けたDHCPサーバーで自動割り振り開始のアドレスと割り振れる個数。この設定値を自分で決めて、ルーターに設定する。これより前を固定用として使っている。
さて、その仕組みを少し解説しよう。この家庭内LANのIPアドレスの自動割り振りは「DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバー[*1]」という機能を使っていて、ルーター機能と一緒に使われている。その名のとおり「動的にホスト(ここではIPアドレスと考えておけばよい)を設定」してくれる機能。家庭内のLANにWi-Fiなどで機器がルーターに接続されたら、使っても良い空いているIPアドレスを割り当てて接続可能にしてくれる。通常はルーター機能をオンにしていれば自動的にオンになっていて、特に意識しなくても利用している機能だ。DHCPサーバーは自宅LAN内で動作させるのは1つだけにしておく。
IPアドレスはルーターが自動で割り当てているため、特に理由がなければ何も扱う必要はありません。機器を再起動するとIPアドレスが変わることもあります。
[*1]……ここで扱っているのはIPv4での機能で、家庭内でのIPv6での接続では、ルーターからのRA(Router Advertisement)を受け取り自動でIPアドレスが決まっている。ほかにIPv6では似たようなDHCPv6サーバーという機能もあったりもするのだが、プライベートアドレスという概念がない。基本的に家庭内LANにてIPアドレスを固定し設定画面にアクセスする目的にはIPv4にて使えれば良い。インターネットへIPv6で接続するには、参照しているルーター(デフォルトゲートウェイ)がIPv6で接続していれば、接続した機器もそのままIPv6でも接続されるようになる。ネットワーク用語的に言うとDHCP機能と呼ばれる機能で、簡単に言えばルーターが各デバイスに接続の度にIPアドレスを割り振ってくれているわけです。
ルーターは、ネットワーク内で接続された機器に対して、IPアドレスを割り当てています。
ちょっとややこしいかもしれないが、一度設定してしまえば、ルーターを交換するまでほぼ半永久的に使い続けられる。ここはひとつ頑張っておこう。次回は、実際のルーターでの設定方法を見てみる。
例えば、ルーターのIPアドレスが192.168.1.1なら、接続されたパソコンは192.168.1.2や192.168.1.3、ネットワークプリンターなら192.168.1.4、無線アクセスポイントなら192.168.1.5などになります。
ルーターとパソコンをLANケーブルでつなぎます。